怒りは自然な感情
怒りは誰もがもっている自然な感情です。不当な扱いを受けたとき、不愉快な体験をしたときなど、さまざまな理由で感じます。怒りを感じるのは決して否定的なことではありません。むしろ怒りを感じてもおかしくない状況で、怒りが出てこないとき、自分の感情や体はどうなっているのか立ち止まって感じてみましょう。
防衛反応―戦う・逃げる・凍りつく
たとえば、誰かがあなたの足をわざと踏んだら、どうでしょう?、驚き、ショック、恐れ、怒り、悲しみ、戸惑い、困惑などがわいてくるでしょうか?それはすべてノーマルな感情です。感情と共に、防衛本能が出てきます。あなたはサッサと逃げるタイプでしょうか?それとも、相手の足を踏み返すなどして戦いますか?または凍りついて、頭が真っ白になりますか?
危険な怒り
怒りは自分や人に向かうことがあります。怒りを健全な方法で昇華、発散、表現しないと、内向してうつ病になることもあります。足を踏まれた腹いせが、ペットや弱い者いじめに向かうこともあります。八つ当たりですね。児童虐待や家庭内暴力には、行き場のない怒りが根底にあります。怒りを破壊的な方法で物や人にぶつけると、被害者や目撃者はトラウマを受けます。怒り+言葉の暴力+飲酒・覚醒剤などが家庭内暴力を引き起こす要因です。ストレスをお酒や覚醒剤・大麻などでごまかすのは危険です。イライラしているとき、飲酒は避けましょう。
怒りの管理
社会で生きるためには、怒りを感じても自由に表現できない場が多々あります。怒りのエネルギーは何らかの形で完了させてあげる必要があります。スポーツ観戦、運動、日記、瞑想などは、無害な発散法です。怒りは自然なエネルギーとして体にあるので、それを上手に解放するのが大人の責任でしょう。過去や人は支配できないので、批判をやめ、受容します。怒りを感じる自分自身も受け入れます。
怒りはたとえて言えば、特急列車が駅のホームに入ってくるようなものです。コツはホームにそのまま留まり、特急を乗り過ごすことです。じっと待っていれば、特急は通過していきます。何分かかるかわかりませんが、それをじっと待ちます。怒りを批判したり、否定しなくていいのです。自然な感情ですから。怒りを体の感覚として感じてみましょう。頭に血が上ったり、震えたり、筋肉が硬直したり、心臓がドキドキしたり…。それが止まるまで(特急列車が過ぎるまで)、観察します。怒りのエネルギーの色や質量、形態に注意を向け、変化を眺めます。眺めているうちに怒りの激しさは減ります。目をつぶって、火山から煙が少しずつ出ているイメージを想像してもいいでしょう。
少しでいいからリラックスする時間を毎日とるのも大切です。落ち着ける音楽を聴く、歌を歌うのも効果的です。自他のためになる趣味を持ち、楽しい、落ち着ける行動を増やすといいでしょう。